法隆寺の宮大工の西岡常一氏は小原二郎氏との共著書「法隆寺を支えた木」の中で次ぎのように述べています。
法隆寺の柱の表面をかんなで2〜3ミリ削るとヒノキ特有の芳香がただよってきます。
1300前のヒノキは人間なら働き盛りの壮年である。

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私の設計でも無垢の素材を使用する事を常に考えています。
スギ、ヒノキ、ヒバ、ベイマツ、唐松、つが、パイン、なら、タモ、オーク(樫の木)、チーク、さくら、メープルなどを使用します。
無垢の肌触りはいいです。とくにスギ、ヒノキの針葉樹は足裏に柔らかく暖かい感触があります。チークはチョコレートのような甘い匂いがあり家全体がしっとりします。ハードで素朴な板目のナラも良く使います。また表面をコーティングすることなくそのままの状態で使う事をすすめます。木の表面は呼吸していて空気を調湿する効果があります。反りや汚れ、傷も無垢だからこその味わいの一部と考えれば良いです。
天井裏やふところを極力作らない設計をしています。ほこりのたまる場所をはぶいて、直接、素材そのものを見せてしまう事にするのです。大工さんの手の抜ける場所をなくしてしまうのです。材料の節約にもなり、空間も大きくなる、大工仕事もきれいと一石三鳥です。 |